2023年は現物ETFの期待から暗号資産(仮想通貨)が軒並み上昇しました。
ではそもそも暗号資産とは何か。
この記事では改めて、その代表格となるビットコインとイーサリアムの解説をしていきます。
暗号資産の始祖「Bitcoin(ビットコイン)」
ビットコインは、2008年10月サトシ・ナカモトという人物が、「ブロックチェーン技術を使った中央管理者のいない決済システム」という論文をインターネット上で公開したのがきっかけです。
このサトシ・ナカモトという存在は謎に包まれており、本名であるかどうかも、国籍も年齢も公表されていません。
個人なのかチームなのかもわかりません。
非中央集権
ビットコインの中央機関が存在せず、全ネットワークの参加者が取引を管理する分散性です。
これにより、誰でも自由にこの技術を使用することができるようになりました。
逆に中央集権の代表例といえば、普段我々が使用しているSNSといったサービスです。
SNSのサービス提供企業がすべての権限を持ち、仮にシステムの不具合などが発生すれば利用者はサービスを利用することができなくなります。
一方でビットコインは世界中にいるマイナーと呼ばれる人々によりシステムを動かしており、仮にどこか1つのシステムがダウンしても、他の多数のシステムが動いているのでシステムそのものが利用できなくなることはありません。
ブロックチェーン技術
取引は連続したブロックに記録され、それが時系列順に連なっていくので「ブロックチェーン」と呼ばれています。
時系列順というのがポイントで、各ブロックは前のブロックの情報とハッシュ化されたデータを含んでおり、帳尻が合わなくなった際にどこで帳尻が合わなくなったかを遡って不正を発見することができます。
そもそも世界中に多数存在するマイナーのコンピューターの51%以上に同時に不正アクセスする必要があるため、現実的にデータの改ざんが不可能な状況です。
匿名性と透明性
ビットコインの取引は42ケタのアドレス間で行われるため匿名性を持っています。
その上でブロックチェーン上の全ての取引履歴が公開されているため、透明性も確保されています。
取引参加者は42ケタのアドレスを使用するため、個人のプライバシーを保護しつつも、取引自体を過去に遡って追跡することが可能です。
供給量が決まっている
ビットコインの供給量は2100万BTCで、これを変えることはできません。
金のように有限で、有限であるがゆえに通貨としての価値を保つことが期待されます。
ビットコインが「デジタルゴールド」と言われる所以です。
スマートコントラクトを実装した「Ethereum(イーサリアム)」
ロシア系カナダ人のVitalik Buterin(ヴィタリック・ブテリン)氏(@VitalikButerin)がブロックチェーン上でスマートコントラクトや分散型アプリケーションを実行するプラットフォームです。
スマートコントラクト
ブロックチェーン技術の、データの改ざんができないという特性をプログラムに組んだものがスマートコントラクト(スマコン)です。
自動で動くスマートコントラクトを改ざんすることはできませんので、一旦スマートコントラクトが作動してしまえば、ハッキングのリスクも低ければヒューマンエラーもありません。
例えばOpenSeaでの取引のように、ユーザーが金額を支払えばNFTが自分のウォレットに移動するのもスマートコントラクトが正確に作動しているからです。
分散型アプリケーション(dApps)
dAppsとは「decentralized Applications」の略で、ブロックチェーン上で動く分散型アプリケーションのことです。
中央集権的にではなく、分散的に機能し続けるアプリケーションで、不具合やアップデート時のメンテナンスで稼働が止まるということはありません。
特にNFTなどのトークンを組み込んだゲームなどのアプリケーションは「dAppsゲーム」や「GameFi」と呼ばれます。
まとめ
金銭的価値は「人がそれに価値があると信じている」から価値がつくものです。
ノーブランドの服とハイブランドの服で、同じ素材で同じ工場で生産されたとしても、やはり価値が高いのは後者です。
それは人々がそう信じているからハイブランドの服が売れるのです。
では何故暗号資産に価値がつくのか。
単純に「怪しい」「暗号資産は危険だ」と思うのは自由ですが、暗号資産はブロックチェーンを根幹とした技術の賜物です。
今回の記事は暗号資産の浅い部分だけですので、より深く調べてみてください。
金銭的価値だけでない面白さがあります。