NFTゲーム(ブロックチェーンゲーム・Web3ゲーム)の歴史をまとめてみた。
仮想通貨を稼ぐPlay to Earnはどのようにして進化していったのか。
懐かしの名作から期待の新作まで!
NFTゲームとは?
NFTを使用した稼げるゲーム
NFTゲームとは、仮想通貨でも使われるブロックチェーン技術を利用したNFTを使用したゲーム。
ブロックチェーンゲームやWeb3ゲーム、GameFiなど、ゲームによって呼び方が違っていたりするが、ここではNFTゲームとします。
NFTとは、簡単に言えばデジタルデータみたいなもので、ゲーム内アイテムやキャラがNFTとなり、データがゲーム会社のものではなく、完全に自分の所有物として保有することができます。
NFTゲームでは、いわゆるRMTといわれる、アイテムなどの売買も公式に認められています。
ゲームをプレイすることで仮想通貨を稼ぐことができたり、NFTの売買で稼ぐことができます。
ゲームによって稼ぎ方は様々で、年代によって変わってきています。
現在、エコシステムはどのゲームプロジェクトも、試行錯誤中で安定していません。
ポンジスキームではないか?と言われることも多く、その脱却を目指している最中です。
ゲームのクオリティも、ファミコンからNintendo switchに進化したように、年々上がってきています。
ゲームだけなく、エコシステムの進化も一緒にみていきましょう。
2017年 NFTゲームの誕生
CryptoKitties
CryptoKittiesは2017年11月28日にリリースされた、猫を売買・交配して仮想通貨を稼ぐことができるNFTゲームです。
このゲームは、仮想通貨やNFTがまだ一般的ではなかった時期に登場し、注目を集めました。
当初、NFTや分散型アプリ(DApps)がまだ普及しておらず、新しい技術への期待から多くの人々がCryptoKittiesをプレイし、人気を博しました。
プレイヤーは自分のウォレット内にデジタルの猫を所有し、自由に取引することができます。
このゲームでは、希少価値の高い猫が非常に高額(数百万ドル)で取引されることもありました。
ただし、その価値は猫自体の希少性にあるのではなく、希少性に価値があると信じる人々の間で取引されるため、価格がついたものでした。
また、このゲームは、ブロックチェーン技術やNFTに興味を持つ人々にとって魅力的な体験を提供しましたが、同時にスケーラビリティの課題やトランザクションの遅延などの課題も浮き彫りにしました。
レイヤーがCryptoKittiesの猫を売買するために必要なトランザクションが処理されるまで待たなければならないことを意味しました。
これはプレイヤーの体験を損なう可能性があり、ゲームの利便性に影響を与えました。
トランザクションの遅延に対処するため、Ethereumコミュニティはスケーラビリティの向上を目指すさまざまな解決策を模索しました。
これには、Ethereum 2.0の導入やレイヤー2スケーリングソリューションの採用などが含まれます。
これらの取り組みは、ブロックチェーンの性能向上とスケーラビリティの改善に寄与しています。
2018年 日本初のNFTゲーム
My Crypto Heroes
My Crypto Heroesは、2018年11月にイーサリアムブロックチェーン上でリリースされたCrypto-RPG Battlerゲームで、日本発の大規模なNFTゲームとして注目されました。
このゲームはリリース後、取引量と日々のアクティブユーザー数で世界第1位にランクインしました。
ゲームの主な内容は、歴史的な英雄を集めて育て、これらを使ってダンジョン(ゲーム内での戦闘エリア)で戦うことです。
これらのヒーローやアイテムは、NFTとして存在し、プレイヤー間での取引が可能です。
NFTの売買やランキング報酬などで稼ぐことができます。
2024年、今現在でも続いている長寿NFTゲームです。
このあたりから、徐々にNFTゲームというものが世に広まりつつありますが、まだ一部の人しか知りませんでした。
2019年 トレーディングカードNFTゲームの流行
Crypto Spells
Crypto Gamesによる長年のNFT(Non-Fungible Token)駆動の戦略的取引カードゲームです。
このゲームは、プレイが「ハースストーン」と「Gods Unchained」に似ており、アプリ内ウォレット機能(iOS、Android)により、仮想通貨に触れたことのない新規参入プレイヤーにも優しい仕様になっています。
Crypto Spellsは、2021年の第4四半期以降、ユーザー数が大幅に増加し、現在もプレイしている人がいます。
Gods Unchained
Gods Unchained(ゴッズアンチェインド)は、2019年にリリースされたNFT(Non-Fungible Token)ベースのデジタルカードゲームです。
このゲームは、プレイヤーがデジタルアセットとして所有するカードを使用して対戦します。
カードはNFTとなり、収集して、自分のデッキを構築して、対戦相手と対戦相手と戦略的なバトルを繰り広げます。
カードの特性や能力をうまく組み合わせ、相手のライフポイントを削り、勝利を目指します。
カードNFTは、自由に売買することができます。
カードゲームとNFTは相性がいいと言われ、現在でも多くのカードゲームがリリースされています。
イベントも開催しやすく、賞金付きトーナメントで稼ぐこともできます。
こちらも現在でもプレイしている人が多く、2024年にスマホ版がリリースされました。
日本人プレイヤーより、海外プレイヤーの方が多いイメージですが、人気作品となっています。
その他、ブレイク前ゲーム
今までは、パーティー構成を考えて、ポチポチボタンを押してバトルするといったものが多かったです。
ただ、この頃には、カードゲームの他にも、Sorare(サッカー選手カードコレクション/試合予想)や、Decentraland(メタバース)などもリリースされて、いろいろなジャンルのゲームが出てきました。
他にも、後に大ブレイクすることになる「Axie Infinity(カード×RPG)」もこの頃にリリースされました。
しかし、大きく流行るのはもう少し先になります。
2020年 NFTゲーム続々参入
JobTribes
JobTribes(ジョブトライブ)は、プレイヤーが仮想的なキャラクターである「ジョブトライバー」を育成し、戦略的なバトルを通じて報酬を獲得することができるカードゲームです。
プレイヤーは、異なる能力や特性を持つジョブトライバーを収集し、育成します。
ジョブトライバーはそれぞれが独自のスキルや特性を持ち、プレイヤーはこれらの特性を活かして戦闘で勝利するための戦略を練ります。
戦闘では、プレイヤーが自ら育成したジョブトライバーを編成し、他のプレイヤーと対戦します。
プレイヤーは、ジョブトライバーのスキルや特性を駆使して、相手のジョブトライバーと戦い、勝利を目指します。
勝利すると、プレイヤーは報酬としてゲーム内通貨やNFTを獲得することができます。
報酬は、ゲーム内通貨やNFTとして得られます。これらのアセットは市場で取引可能であり、プレイヤーはこれらのアセットを他のプレイヤーに売却することで現実世界の通貨に換金することができます。
プレイヤーは、戦略的なプレイや高レベルのジョブトライバーを育成することで、より高額な報酬を得ることができます。また、定期的に開催されるトーナメントやイベントに参加することで、追加の報酬を獲得することもできます。
Playminingというプラットフォームからリリースされており、他にも色々な人気ゲームを今もなお排出し続けています。
その中の初期タイトルで、当時は稼げると言われていて人気でした。
大会賞金も豪華で世界大会で優勝したプレイヤーは大きく稼いでいました。
現在ではかなり人気は落ち着きましたが、プレイしている人は多くいます。
スカラーシステム(NFTを他プレイヤーにレンタルして、NFTを購入しなくても(無課金)でも稼げる)も搭載されていて、盛んにやりとりが行われていました。
エグリプト
ゲーム攻略メディアGamewithが開発するRPGゲーム。
ユーザーが無料でプレイを開始でき、モンスターを収集して戦わせるRPGタイプのゲームです。
ゲームはスマホアプリでプレイ可能で、特に課金せずとも楽しむことができます。
レアモンと呼ばれる激レアドロップするモンスターを売却することで稼げます。
無課金でも稼ぐことができ、ウォレット内蔵型・ソーシャルゲーム寄りで一般プレイヤーも多いです。
ポチポチボタンを押していくシンプルなゲームなので、誰でも分かりやすいのが特徴的です。
現在も続いており、新作エグリプトXが開発中です。
こちらでは、NFT売買だけなく、仮想通貨トークンも導入予定なので楽しみです。
2021年 NFTゲームブーム到来
徐々に、NFTゲームが増えてきた中、ついにブームが到来します。
このあたりからプレイヤー数が爆増し始めることとなります。
Axie Infinity
プレイヤーがデジタル生物であるアクシーを育成し、トレーニングし、戦わせることでゲーム内通貨である「スムースラブ(SMOOTH LOVE POTION)」を獲得することができます。
それを換金して、仮想通貨から日本円にして稼ぐことができます。
3対3でカードを選択してバトルするゲームスタイルですが、これは現在の2024年でも取り入れているゲームがあるくらい、定着したスタイルとなりました(日本でも流行ったPROJECT XENOなど)
シンプルかつ戦略性が高く、面白いと思う人が多いのでしょう。
仮想通貨の上昇・以前からのコミュニティの強さ・NFTへの関心などが相まって、アクシーは世界中でブレイクすることになります。
特に東南アジア、フィリピンなどで大流行して、普通に働くより稼げると話題になったようです(物価が安いので)
さらに、スカラーシステムが搭載されていたので、大富豪が多くNFTを購入し、NFTを貸出し、ゲーム自体は他の人にやらせて一部の収益を分配するというやり方も流行りました。
借りる方はNFT購入費用無しに、ゲームだけ楽しんで稼ぐことができる。貸す側はプレイする時間や手間を省けてお金を稼げるという一石二鳥でした。
この頃、アクシーは1体数万円は越えて、3体揃えないといけなかったので、プレイするだけで10万円以上は越えるといった状況でしたので、スカラー機能は重宝されました。
以前からもスカラー機能はありましたが、アクシー以降、このスカラー(レンタル)システムは、多くのNFTゲームで搭載されるようになりました。
また、大きな特徴として、ブリードシステムがありました。
アクシーを2体組み合わせて、新しいアクシーを生むシステムです。
ブリードしてできたアクシーを売ることで、ブリード費用を除いても大きな利益が出ました。
ブームだったので、強い個体なども高値で売れる状態で、すごいプレイヤーは数千万円と稼いでいたようです。
「このゲームは稼げる」口コミが人を呼び、多くのプレイヤーが集まりましたが、それも長くは続きませんでした。
ゲームで稼げる仮想通貨SLPの価値が下がってしまったのです。
SLPのインフレ
Axie Infinityでは、プレイヤーはバトルの勝利やタスクの完了でSLPを獲得します。
しかし、プレイヤーが生産するSLPの量とゲーム内で使用される量の間に大きな不均衡が生じ、SLPの価値が下落しました。
これが、プレイヤーにとって収益性が低下する結果を招きました。
ブリードシステムの問題
新しいアクシーを生産するためには、SLPとAXSトークンが必要ですが、このプロセスはコストが高くリスクが伴います。
また、ブリーディングのたびにSLPのコストが増加し、親のAxieの価値も下がるため、経済的なバランスが崩れました。
「スカラーシップ」システム
資産の所有者が貧しい国のプレイヤーにAxieを貸し、収益を分け合うシステムです。
このシステムは参入障壁を下げましたが、金銭獲得のためにゲームに参加する人が増え、SLPの過剰生産につながりました。
プレイヤーベースの成長と崩壊
ゲームの急成長は金銭を求めてゲームに参加するプレイヤーによって支えられていましたが、SLPの価値が暴落すると、これらのプレイヤーの動機が失われ、アクティブユーザー数が減少しました。
TownStar
GalaGamesという、当時絶大的な人気を誇っていたゲームプラットフォームからリリースされた農業シミュレーションゲーム。
効率的で生産的な町を構築するために、成長させ、収集し、作成することが目標です。
プレイヤーはリーダーボードの上位になると賞金を獲得できます。
また、デイリーチャレンジをクリアして仮想通貨TOWNを稼ぐことができます。
当時、一番稼げていたとされていたのが、「施設NFTを購入して町に置くことで仮想通貨TOWNを稼ぐ」というやり方でした。
Axieが流行ったこともあり、NFTの価格も高騰していて盛り上がっていました。
しかし、こちらもしっかり利益を出して稼げた期間は短かったです。
どうやら、BOTなどが荒稼ぎして、もらえるTOWNの価値が下がってしまいました。
そうなると、原資回収も厳しくなります。
その後も、システムの変更などが相次いで、やがて話題にならなくなりました。
現在では、COMMON GROUND WORLDに名前が変わり、稼ぐためにはランキング上位にならないといけません。
無料プレイも可能ですが、上位を目指すとなると、NFTなどの課金が必要となるでしょう。
BombCrypto
ボンバーマンにインスパイアされた放置系ゲーム。
プレイヤーは、ボンバーマンキャラを集め、仮想通貨BCOINを獲得することを目指します。
ゲームはTreasure Hunt、PvP、Survivalの3つのモードがありますが、当時はPvPとサバイバルモードはまだ出ていませんでした。
稼ぐ方法は、主にTreasure Huntモードで宝箱を破壊してBCOINを獲得すること、またはストーリーモードでモンスターを倒すことです。
とはいえ、買ったNFTキャラを配置したら勝手に動くのを見るだけの放置系ゲームです。
一定時間経つとスタミナが無くなるので、回復させるという作業はありますが、ほとんど見るだけです。
AxieInfinity・Townstarと続いたところで、こちらもブームになりました。
先に流行したゲームに乗り切れずに、遅れて参入した人たちが多くいた模様です。
特に、日本人プレイヤーはBombCryptoがNFTゲームデビューという人も多かったです。見た目がボンバーマンなのが馴染み深かったのと、放置系ゲームなのでルールが簡単で誰でもできるというのがありました。
他のゲームは、ルールを覚えないといけなかったりして、参入ハードルが高かったからです。
しかし、末路は一緒でした。
BCOINの価値が下がったことにより稼げなくなり、稼げなくなったのでユーザーが減り、引退するためにBCOINを売り、という悪循環が起きてしまいます。
その後、続編であるBOMBCRYPTO2などもリリースされて、2024年現在でもゲーム自体は続いています。
おそらく、初期の頃に参入したプレイヤーはほとんどが辞めているとは思いますが、それでも世界中にプレイヤーはまだいます。
一世を風靡したゲームなので、また復活を狙っているようです。
エコシステムの未熟さ
「ゲームをプレイして稼ぐ」これが実現したのが2021年でした。
フィリピンのような国だけでなく、日本でもゲームで稼ぐ、しかも生活できるレベルで稼ぐ人が多くいました。
ただ、最終的には損してしまった人の方が多いはずです。
プレイヤーが皆お金のためだけにゲームをすると、一度ゲーム経済が崩壊すると立ち直りが難しいということが分かりました。
ゲームの仮想通貨の価格は、ゲームの価値でもあるので、価格が落ちてしまえば落ち目のゲームと認定されて、新規プレイヤーが参加しなくなります。そうなると、既存プレイヤーの引退も多くなり、仮想通貨やNFTも売られて価値が下がってしまいます。
この問題については、2024年現在でも完全に解決していません。それほど、エコシステムというのは成立させるのが難しいということです。
2022年 新しいゲームの稼ぎ方
Axie Infinityが大流行した後、人々は気づきます。
これは、ポンジスキーム(新規参入者の資金が既存プレイヤーの利益になる)ではないかと?
つまり、早くゲームに参加しないと稼げないということに気づき始めます。
そのため、ある程度ブームになったところで、NFTを売ったり仮想通貨を売る方がいいのではないかという考えが広まってきました。
そんな中、新しいゲームがまた話題になることになります。
STEPN
歩いて稼ぐフィットネスゲーム。
まさに、革命とはこのことでした。
今までのゲームの概念を覆しました。
今までのNFTゲームは、家でパソコンやスマホで遊ぶゲームです。当たり前です、ゲームですから。
しかし、このSTPENは、スニーカーNFTを購入して、実際に外を歩くことで仮想通貨GSTが稼げます。
もちろん、すでにポケモンGOやドラクエウォークなどGPSを使ったゲームはあったので、普通と言えば普通なのですが、NFTゲームでは今までになかったジャンルなので、革命的でした。
当初は、珍しいだけのゲームとされていましたが、その新鮮なゲーム性から徐々にユーザーは増えてきて、ミント(2つのNFTを組み合わせて新しくNFTを生み出す)をすると、1回で数万円稼げるという収益性が話題になり、一気に人気になりました。
しかし、今までの教訓からSTEPNも1か月くらいで稼げなくなるといった意見も多く、やらない人も多くいました。
むしろ、今までに経験してきた上級者NFTゲーマーほどプレイせず、何も知らない初心者の方が手軽に簡単にできるというので多くプレイしていました。
爆発的に流行した理由として
歩くだけでいい(難しいルールの把握がいらない)
ウォレット内蔵(Metamaskウォレット作成必要なし)
が、あります。
ただ歩くだけでいいので、ゲームが分からない女子などにも受けが良く、口コミや動画でかなり拡散されました。
最初は、日本がメインで流行っていたのですが、そこから欧米などにも広がっていき、気づけば世界中で人気になっていました。
当時は、日本人ばかりやるゲームは稼げない(プレイ人口が少ない or すでに海外で流行ったものが日本に流れてきている etc…)という風潮がありましたが、その説をひっくり返すほどのブームでした。
芸人TKO木本氏やひろゆき氏などもプレイしていて、地上波テレビでも取り上げられるほどの人気になりました。
さらに、すごいのが、今まで1~2か月でエコシステムが崩壊してオワコンと言われるゲームが多い中、STPENは3か月以上その高い収益性をキープしていました。
Solanaチェーンでリリースされていたのが、BinanceSmartChainでもリリースされて、NFT価格がスニーカー1個数十万円・日給十数万円と超インフレ状態になって、全盛期のAxieInfinity並みの稼ぎとなっていました。
実際、数千万円以上稼いだ人もちらほらいました。
ただし、こちらも結末は一緒でした。
きっかけは、中国でのSTEPN規制でした。
中国ユーザーも多くいたので、NFTが投げ売りされて、ゲームで使われるGST・GMTの価値も下がってしまったことにより、損失を出したユーザーも多く出て、売りが売りを呼ぶ展開となりました。
そして、こちらも一度下がり調子になると、新規参入者が極端に減ってしまい、稼げるゲームという印象は無くなってしまいました。
ただ、こちらのSTEPNも2024年現在でも高い人気を誇っていてプレイヤー数はかなり多いです。
さらに、定期的に大口の大富豪がGSTを買い上げて、話題になることも多いです。
STEPNを開発したFSLは、その利益を基に、新しいゲームGASHEROを2024年にリリースして、また大きな話題となりました。(後に後述)
参入した時期によっては稼げないゲームという印象になってしまっていますが、NFTゲーム業界に与えた衝撃は大きく、「Move to earn(歩いて稼ぐ)」といった言葉が生まれたり、「ミント」「エネルギー」「ステータス」「ジェム」などのゲームシステム・エコシステムは、フィットネスゲームだけでなく、他のジャンルのゲームでも使われていて、似たようなゲームシステムのタイトルが多くあります。
それほどまでに、STEPNは世界中でブームとなり衝撃を与えたゲームでした。
X to earn
STEPNの流行後、「X to earn(Xして稼ぐ)」というのが流行りました。
まずは、「Move to earn」歩いて稼いだり、自転車で稼いだり、ドライブして稼いだりと、GPSを利用して外を移動して稼いでいくというゲームが流行りました。
STEPNが流行したことで、次こそはブームに最初から乗るぞというプレイヤーが多くいたので、とりあえずMove to earnなら人気が出ていた時期でもありました。
「GenoPets」「Walken」「RunBlox」など多くあります。
この手のアプリのいいところは、多重起動できるというところです。
STEPNをしながらRunBloxもするといったように、同時に起動して歩けば、両方のアプリで稼ぐことができます。
他のゲームだと、いちいち時間がとられてしまうので、同時何本のタイトルはプレイできません。
この辺の仕様も、Move to earnが流行した理由の一つでしょう。
他にも「寝て稼ぐ」「食べて稼ぐ」「視聴して稼ぐ」「筋トレして稼ぐ」など、日常生活をしながら稼ぐといったゲームが多く誕生しました。
ただし、そのほとんどが短命で終わって、ゲームが継続することはほとんどありませんでした。
それでもなお、今までのゲームとは違う体験もできて稼げるというのが証明できました。
Fitfi・MOVEY・STEPAPP・SNKRZ
放置系ゲーム
他には、放置系ゲームといったものも流行りました。
初期の頃は、ゲーム性というのがあまりなく、実質ステーキングゲームみたいな感じでした。
NFTを購入して預けることで金利を得るといったシステムを、ゲームにすることで分かりやすく大衆向けにします。
運営側も、開発資金も時間もかからずにリリースできるので、たくさんありました。
また、NFTゲームブームにより、多くのゲームタイトルがリリースされて、プレイヤーたちは全てのゲームをプレイすることは難しくなりました。
しかし、放置系ゲームだとシンプルなゲーム性が多く、やることも少ないため、手が出しやすいのです。
TrollGame
NFTセールが、ゲームリリース前に行われて、数秒で売り切れるほどの人気になりました。
NFTの転売だけで利益を出すこともできました。
Police&Thief
海外で主に人気でした。
リリース後、数日で原資回収できるほどの盛り上がりでした。
システム的には、ウォルフゲームに似ています。
もちろん、こちらも数週間で流行りは終わり、先行者のみ利益が出ました。
Crazyminer
PCの部品NFTを揃えてパワーを上げて、敵と戦う放置系ゲーム。
1日に1度だけ戦うことができて、自分のステータスと敵のステータスの数値によって、勝率や報酬が変わります。
1日1ポチでよりプレイ時間が短くなりました。
こちらマーケットプレイスなどにも問題がありましたが、逆にプレイヤーが稼ぎすぎたため、運営の資金難となりゲームが終了しました。
プレイヤーだけが稼いでも、ゲームが成り立たないということも分かりました。
GNOMEMINES
BOMBCRYPTO系の放置系ゲーム。
キャラが変わっただけでシステムなどは似ています。
この頃から、STEPNなどからNFTゲームを始めて他ゲームもプレイし始めた人が増えてきます。
しかし、こちらも数か月で稼げなくなってしまいました。
Metakeeper
こちらもBOMBCRYPTO系の放置系ゲーム。
リリース直後、爆発的な人気となり日給数千円~数万円いくほど注目されました。
しかし、こちらも最初だけで数か月で稼げなくなってしまいました。
日本人プレイヤーも多く、初心者が洗礼を受けてしまう形となりました。
その他
Pizzagame・Avalant・MinesConquest・CryptoLegionsなど、似たようなシステムのゲームが多くありました。
特徴として、基本は、ステーキングして放置するだけのゲーム性が多かったです。
リリース直後は、稼げるといった感じですが、いずれも1~2か月後には稼げるターンは終わってしまっていました。
当時、話題になったゲームだけでもこれだけあります。
ポチポチとボタンを押すだけのゲームに、みんな熱狂していたのです。
その他、流行ったゲーム
TitanHunters
アクションシューティングゲーム。
放置系ゲームやフィットネスゲームが流行る中、当時は珍しいアクションシューティングのゲームも話題になりました。
爽快感あるアクション性や、無課金でもプレイでき稼げるというエコシステムから、口コミを通じて広まっていきました。
ゲームとしても面白いという声も多く、評価は高かったのですが、やはりお金のためにプレイするプレイヤーも多く、仮想通貨が売られ続けてしまい、数か月で稼げなくなってしまいました。
ゲームが面白くても、プレイして得た仮想通貨をもう一度消費させるようなシステムがないと、エコシステムは長続きしないということが分かりました。
Speedstar
競馬シミュレーションゲーム。
こちらも当時は珍しかった競馬ゲームです。
仮想通貨の上場タイミング、リリース後のブリードなどで、大きく稼ぐチャンスがあり、プロプレイヤーは数百万円稼ぐことができました。
ただ、こちらもいつも通りの展開で、数か月しか流行らずに、一般プレイヤーは損失を出して終わった人も多かったです。
この時代の稼ぎ方
無料プレイできない
ゲームをプレイするのに数万~十数万円かかる
原資回収まで1か月前後
ラグ(詐欺)は当たり前
この当時は、初期費用がかかるのは当たり前。無料でプレイできるものすら少なかったです。
さらに、NFT1個数万円することも多く、参入ハードルは高かったです。
しかし、その分高い収益率となっていて、リリース直後から参入すれば1か月以内には原資回収できるといった高収益が多かったです。
ただし、その後は、報酬である仮想通貨が売られて価値が下がり、回収が難しくなるといったパターンがほとんどでした。
いかに早くゲームを始めるか、リリース前に安くでNFTを買い、リリース後に高くでNFTを売りつけるかなど、とにかく先行者が圧倒的に有利な時代でした。
2022年は、NFTゲームバブルというのもあり、ラグ(詐欺)プロジェクトも多かったです。途中で急にゲームがサービス終了となり、買ったNFTや仮想通貨が無価値になってしまうこともありました。とにかく、ブームの今お金を集めて逃げてやろうという悪質ゲームもありました。このようなゲームがあったことから、NFTゲームの印象を悪く思う人もいたようです。
エコシステムの課題
エコシステムが長続きしない
稼ぐ目的でプレイする人が多い
稼ぐ目的のみでゲームをプレイする人が多いので、ある程度稼いだら報酬である仮想通貨を売って現金化されてしまいます。
そのため、仮想通貨の価値が下がってしまい、ゲームの価値も下がり、新規プレイヤーも減ってしまいます。
プレイヤー自身もそういうサイクルになると分かっているので、余計にそういう流れになります。
これを防ぐためには「面白いゲーム」を作らないといけません。
しかし、ゲーム開発には多くの時間がかかります。
実際に、この時代にもハイクオリティなゲームも存在していましたが、そのほとんどが開発中でまだプレイして稼ぐというフェーズにまでは到達していませんでした。
低クオリティのゲームでも「稼げるのでやる」といったプレイヤーが多い時代でした。
2023年 NFTゲームブームの落ち着き
2021年頃から続いていたNFTブームも落ち着き、NFTゲームのブームも終わりつつありました。
STEPN崩壊や、その他のゲームも数か月しか持たないことから、嫌気をさして辞めていくプレイヤーが続出。
仮想通貨市場全体が下げ基調というのもあり、以前ほどの盛り上がりは無くなっていました。
しかし、そんな中でも話題になるゲームはいくつかありました。
SocialFi の登場
2022年末~2023年初めに話題になったのが「SocialFi(ソーシャルファイ)」
SNSなどのSocial+Financeを掛け合わせた言葉で、ゲームをして稼ぐではなく、SNSをして稼ぐという意味です。
一応、NFTゲームというカテゴリになっています。
TwitFiというゲームが、まず大流行しました。
Twitterと連携して、NFTを保有し、ツイートするだけで仮想通貨がもらえて稼げるシステムでした。
STEPNの時と同様に、今までにない稼ぎ方だったので、徐々に話題になり、ピークの時は1日に数十万円稼ぐプレイヤーが出るほどまでに加熱しました。
しかし、こちらも以前と同様に数か月で稼げなくなってしまいます。
昨年と違うところは、稼げなくなっても別のチェーンで新しいバージョンとしてリリースして、また稼げるようにするという形をとるゲームが多くなったことです。
STEPNでSolanaチェーンからBNBチェーンに増えて、一時的に成功したことから、チェーンを変えて再スタートさせると、プレイヤーももう一度資金を投入するということが分かったからです。
先行者有利だと、一度入るタイミングを逃したらプレイしない人も多かったので、一度全員が同じスタートができるリセット性は、後のシーズン制(一定期間で強さなどリセット)というシステムにつながります。
TwitFiがブームになった後、似たようなゲーム「Byten」「DiscoFi」「TelegramFi」「MetaX」などの、ツイッター以外のSNSで稼ぐタイトルも増えました。
SNSで投稿すると、必然的にマーケティングにもつながり、プレイヤーが多くなるということで、全体的なSocialFiブームになりました。
ただ、こちらも稼ぐ目的のプレイヤーが多かったので、エコシステムは崩壊して稼げなくなり、ブーム自体も去っていきました。
元素騎士
こちらも2022年末から2023年年初にかけて大きく話題になりました。
元々はエレメンタルストーリーというゲームで、元素騎士としてNFTゲーム化しました。
日本でも以前から注目されていたタイトルですが、延期などを重ねてようやくリリースされました。
今までにはないクオリティで、他プレイヤーとパーティーも組めて、実際にプレイして楽しめた作品でした。
稼ぎの面に関しても、稼いでいるプレイヤーは多くいました。
しかし、仕様変更などから徐々に稼ぎは少なくなっていき、ブームは去りました。
最初だけ報酬がいいというのは、NFTゲームだけに限りません。
サービス期間が終わると、稼ぎが減るのはおかしなことではありません。
一時期に比べたらプレイヤー数は減りましたが、2024年現在でも多くのプレイヤーがいて楽しまれているゲームの一つです。
ドン・キホーテ(有名ディスカウントストア)やジャンナビ(麻雀ゲーム)など、有名企業とのコラボも実現していて、まだまだ人気です。
キャプテン翼RIVALS
2023年1月にリリースされたキャプテン翼のNFTゲーム。
あの国民的アニメが、NFTゲームとして遊べる!ということで、当時かなり話題になりました。
ゲームとしては、シンプルなコマンドバトルで、選手NFTを買ってデッキを組み、敵チームと対戦するものでした。
放置系ゲームのようなプレイ時間の短さ・シンプルさと、STEPNを真似したエコシステムを合わせた、いいとこどりのようなゲームでした。
その結果、NFTゲームとしては成功を収めて、初期プレイヤーで稼いだ人はかなり多く、2023年ベストNFTゲームにも選ばれました。
エコシステム自体も優秀で、1年近くゲームも順調に続いていました。
しかし、その代わり、以前のような爆発的な収益は出ずに、原資回収までも3か月前後といった感じでした。
NFTゲームの大衆化
以前のような放置系ゲームは少なくなり、きちんとゲームと呼べるようなものが増えてきました。
日本企業も開発を続けていたゲームがリリースされてきて、スクエアエニックスの「資産性ミリオンアーサー」やCroozの「PROJECT XENO」が流行りました。
今までのゲームの多くは、海外開発が多く、日本語対応していなかったり、遊び方がよく分からなかったりなどしていましたが、日本発の有名企業開発となると、安心して遊ぶことができます。
資産性ミリオンアーサー
LINE連携で簡単に遊ぶことができる、ポチポチRPGゲーム。
ゲームとしては、昔のソシャゲのようなポチポチゲームですが、NFTシールを集めてLINE NFTで売買することで稼げました。
無料プレイでも稼ぐことができたのもあり、大きく話題になりました。
もちろん、数十円~数百円と大きくは稼げませんが、ポイ活のような感じでゲームを楽しむ人が多かったです。
ただ、稼げる人が多くなり売る人が増えると、NFTの相場も落ちてしまいます。
稼げる金額は減っていきプレイヤーも減っていきましたが、それでもゲーム自体を楽しむ人は一定数いました。
その後、LINE NFTの終了などもあり、2024年5月にサービス終了。
ユーザーに対するNFTの価値を見出せないという理由でした。
ただ、自主的なサービス終了ということで、今後また形を変えて復活する可能性はあるので期待したいところです。
XENO
3対3のカードバトルゲーム。
以前大流行したAxieInfinityのようなシステムです。
ただ、エコシステムが変わって、NFTを保有してプレイすることで稼げますが、報酬プールが決まっており、プレイヤー全体で山分けする形となります。
またNFT1体につき稼げる仮想通貨の量が決まっていて、それを稼ぎきると、使い続けるにはトークンの消費が必要になります。
このようなエコシステムになり、よりトークンの消費を促し、稼げる上限を決めることで、ポンジスキーム化を防ぎます。
アンバサダーに有名Youtuberのヒカルを起用したことにより、NFTを知らない一般プレイヤーの獲得にも大成功しました。
アプリランキングでも1位をとり、芸人カジサック氏や他有名Youtuberなどもプレイしていることでも話題になりました。
無料プレイ可能でNFTを持っていなくても普通にプレイできるということで、いい意味でただのスマホゲームといったものになりました。
課金者・無課金者関係ない同一条件で行われるゲーム大会も開催され、賞金は1000万円と豪華でした。
NFTを保有して稼ぐパターンでは、原資回収まで半年前後かかったりと、長期で回収するタイプなので、以前からNFTゲームをプレイしていた人たちにとっては物足りないものにはなりますが、ゲームとしては成功したといっていいでしょう。
BIGTIME
海外で人気の超本格的MMORPG。
以前から期待されていましたが、2023年秋頃に実際に稼げるプレシーズンが開催。
古参プレイヤーが1日に数十万円稼いだことで注目されて、一気にブレイクしました。
無課金でも低確率でNFTがドロップして稼げるというのも人気の理由です。
2024年現在でも稼げるゲームの一つです。
プレイ時間がかかってしまうので、時間がある人やMMORPGが好きな人向けですが、クオリティの高さは他ゲームと比べても高いです。
日本だけでなく海外プレイヤーも多いので、市場規模が大きいのもいいところです。
リリース前ゲームのNFTの高騰
2023年秋頃から、仮想通貨市場全体が上向きになってきたこともあり、NFTゲームのNFTの価格も高騰傾向になってきました。
NFTゲームはリリース前に、NFTセールを行うパターンが多いのですが、期待感や保有すると色々プレゼントがもらえたりすることから、NFTの価値が購入時より大きく上がることも珍しくなってきました。
さらには、フリーミント(無料でもらえる)が流行ったことから、資金が少なくても一攫千金が狙えるようになりました。
L3E7というゲームでは、無料でもらえたNFTが現在200万円近くの価値にまでなっています。
他のゲームでも、数十万円の価値になるなどはよくあることでした。
しかし、そうはいっても簡単ではありません。
NFTのフリーミントや購入するためには、WL(ホワイトリスト)と呼ばれる優先購入権が必要です。
これを手に入れるには、ゲームによりますが、大体がコミュニティ貢献(DiscordやTwitterで盛り上げる)などGiveaway(プレゼントキャンペーン)で当てるなど、しなければいけません。
特に、コミュニティを盛り上げるというのは、Discordに貼りついてチャットしたり、Twitterでゲームについての情報を拡散したりなど、かなりの時間を要して、なおかつもらえる保証はありません。競争率も高いです。
ただ、その分、もらえたら数十万円の価値があるかもしれません。
「ゲームでプレイして稼ぐ」の効率が悪くなったことにより、「ゲームをSNSで盛り上げてWLを獲得しNFTの転売で稼ぐ」といった方向にチェンジしていきました。
稼ぎたい目的の人は、ゲームで遊ぶよりWL獲得するために動いた方が、コスパ・タイパ共にいいでしょう。
こちらの方法は無料でもできるので、誰にでもチャンスがあるのがいいところです。
2023年代の稼ぎ方
無料プレイでも稼げる
ゲームをプレイするのに無料~数万円でできる
原資回収まで3か月前後
ラグ(詐欺)は減りつつある
NFTを先行販売で買い転売する
2022年頃までは、NFTを買って稼ぐといったタイプが多く、そもそもNFTを買わないと遊べないものも多くありました。
しかし、この頃から無料プレイできるゲームが増えて、無課金でも稼ぐことができるゲームが増えてきました。
もちろん、NFT保有者には稼ぎの面では負けますが、資産性ミリオンアーサーのように少額でも実際に稼ぐ体験ができるゲームも増えてきました。
これは、初心者ユーザーにとっても優しく、NFTゲームが広まりやすくなります。
初期費用に関しても以前より安くなります。
無料プレイはもちろん、NFT価格も1体 数千円から買えるゲームが多くなり、少額でも稼げるものが増えました。
より遊びやすく、プレイヤーを増やそうという動きが出てきました。
今までエコシステムでは長続きしないことから、そもそも稼げる量も減らし、原資回収まで長くすることで、ゲームの持続化を図るタイトルが増えました。
一気に稼げるゲームは、一気に稼げなくなるゲームでもあり、ポンジスキーム化していたからです。
また、NFTの寿命(経済循環のため)システムや、シーズン制(先行者圧倒的利益を防ぐため)の導入など、エコシステムにも変化が出てきました。
大手ゲーム企業も参入してきて、より開発資金が大きい大型タイトルも増えました。
以前のような怪しいゲームも少なくなってきました。
これは、NFTゲーム業界にとってプラスですが、まだまだ詐欺のようなゲーム(悪意がなくても急にサービス終了など)もあるので、注意しなければならないところでもあります。
NFTの転売で稼ぐ方が効率が良くなってきました。
逆に、ゲームでプレイして稼げるタイトルは少なくなってきました。
ポンジスキーム化は防げましたが、その分稼げる金額も減ったので効率が悪くなりました。
本当に好きで面白いゲームならプレイする価値がありますが、そこまで思い入れがないゲームだとプレイしない人が増えました。
2024年 NFTゲームの進化
2017年頃から始まったNFTゲーム、最初はボタンを押すだけのゲームがほとんどでしたが、ようやくWeb2に負けないようなゲームが出てきました。
RPG・アクション・FPS・シミュレーション・パーティーゲームなどをはじめとして、寝て稼ぐ・買い物して稼ぐ・ドライブして稼ぐなど日常生活をゲームにしたものも充実してきました。
クオリティも高く、ようやくゲームを楽しめるといったものが増えてきました。
何年も前から開発してきた大型タイトルも、次々とリリースされて遊べるようになってきました。
SHRAPNEL
2024年2月頃に、賞金付きのβ版が開始して、実際に稼げるようになった本格FPSゲーム。
近未来の日本が舞台となっており、日本人にとってはなじみ深いマップとなっています。
数年前から注目されていましたが、ようやくプレイできるようになり、そのクオリティも高いとの評価でした。
もちろん、既存のWeb2のFPSと比べると、まだまだバグも多くマップも未完成ですが、これまでのNFTゲームと比べると、その差は歴然です。
さらに、賞金付きの大会では1000位以内に入れば、数千円分の仮想通貨SHRAPトークンがもらえるとのことで、FPSの腕に自信がある人は、低リスクで稼げるといったものです。
正式リリースは、2025年を予定しており、まだまだβ版ですが、FPS好きのプレイヤーにとっては、稼げる・面白いゲームになっています。
GASHERO
2024年1月に正式リリースされた、ソーシャルシミュレーションゲーム。
あのSTEPNを開発したFSLの新作NFTゲームです。
ゲーム性はシンプルにキャラクターを集めてパーティーを組み敵とオートバトルするというRPGですが、そこにソーシャル性を組み合わせて、ギルドに加入して他プレイヤーと協力してプレイするのが前提となっています。
Web3の世界ではコミュニティというものが非常に大事で、結束力の強さが、ゲームが流行るかどうかにも繋がってきます。
GASHEROも、そのソーシャル性の高さからSNSで話題になり、しかもあのSTEPNの開発元からリリースされるとなると、やはり注目されます。
NFTの価格は1体25万円ほどにまで高騰して、1日で数十万円~数百万円稼ぐプレイヤーも出てきて、まるで以前のポンジスキームのようなSTEPNの再来かと言われました。
あの頃から数年が経ち、運営側もエコシステムの弱点や改善点なども把握しています。今度こそ、長続きするかと思われました。
しかし、結果はSTEPNよりも短く、数週間でNFTの価値は半分以下となりました。
上級者プレイヤーはうまく立ち回り稼げていたものの、お試しプレイなどのエンジョイ勢は、大きな損失を出したことでしょう。
その後も、ゲームシステムの変更などもあり、稼ぎにくくなり話題にならなくなってしまいました。
最終的には、このままではいけないと運営が判断し、クローズドβテストへと戻ることになりました。
プレイヤーはこのまま続けるか、FSLポイント or 仮想通貨GMTをもらって終了するかの二択を迫られました。
つまり、実質的なサービス終了に近いものです。
しかし、損失が出ている場合は、50%の損失補填がされることになりました。とはいえ、その計算方法にも疑問があり、参入タイミングによっては大きな損失を抱えて終わったプレイヤーもいたようです。
このニュースには、界隈全体が大きく動揺しました。
ただ、ゲームをプレイしている人の多くは、前向きにとらえているようで、大きな批判などは少なかったです。
これは、今までに実績を残してきたFSLだからこその信頼なのでしょう。
また、復活するときが来ると思われます。
ゲームが面白くない(ポチポチゲーム)
初期費用が高い(リリース直後)
システムの変更が多い(改悪)
チームを組むのが前提(気軽に楽しめない)
など、色々な意見がありました。
ソーシャル性を高めて、他プレイヤーと協力するといったシステムは面白いと思いましたが、ゲーム部分に関しては一昔前のオートバトルで、面白さに少し欠けていたのかもしれません。
また、無料プレイは実質できずに、NFTがないと稼げないといったシステムのため、新規プレイヤーは初期費用の高さからプレイできない人も多かったように思えます。
ゲームシステムの変更も多く、振り回されるプレイヤーも多くいて嫌気がさしたのもあると思います。
NFTゲームがより身近な存在へ
2024年の第一四半期(1~3月)は、日本発のゲームアプリが躍進しました。
エルフの森・ファンキルオルタナ・WizardryBCなど、以前から注目されていたゲームが続々と正式リリースを迎えました。
アプリストアランキングでもカテゴリ別で1位をとるなど、昨年のPROJECT XENO以来、よりNFTゲームが身近なものになりました。
NFTの部分と、ゲームの部分が切り離されたような考えで、無料プレイはもちろん、課金方法も日本円決済が使えます。
ファンキルオルタナでは、NFT化するのも日本円決済ができて、ウォレットの概念なしに稼ぐことができます(出金時には必要)
強くなるためには、NFTより通常のソシャゲのような課金方法が必要(ガチャなど)で、課金だけする一般プレイヤーも多く存在します。
エルフの森も、NFT売買で稼ぐことができますが、ゲーム自体を楽しむプレイヤーが多いので、NFTの存在を知らずにプレイしている人が多いです。
そのうえで、NFTの導入により稼ぎやすくなったり、ゲーム内で優位な存在になることができます。
稼げる金額・初期費用などはよりマイルドになり、Web2とWeb3の境界線が無くなってきています。
誰もが稼ぐためにプレイすると、どうしてもポンジスキーム化してしまいいずれ稼げなくなり、運営の資金繰りも苦しくなって、ゲームが成り立たなくなります。
その点、これらのゲームは、課金だけするWeb2プレイヤーも取り込むことで、持続するエコシステムになっています。
「NFTゲームは、稼げないとやらない」といったWeb3ゲームプレイヤーも多いですが、「ゲームが面白ければ稼げなくてもやる」といったプレイヤーもいることが分かり、ゲームとしての完成度も、以前に増して求められるようになります。
サービス終了するNFTゲームたち
GASHERO
DEFY
資産性ミリオンアーサー
今までは、ラグ(詐欺)みたいなものや、途中からゲームが更新されなくなったりする、悪意があるゲーム終了が多かったのですが、近年では仕方なく運営難からのサービス終了を発表するゲームも多くなってきました。
DEFYは、数億円以上の資金調達を発表したわずか数週間後、サービス終了を発表しました。
かなりプレイされていたゲームの一つでしたので衝撃的でした。
資金調達や今後のロードマップを発表してすぐだったので、批判も多かったです。
しかし、肯定的な意見も多く、愛されていたゲームだったのでしょう。
スクエニの資産性ミリオンアーサーも、うまくNFTを活用しきれていないなどの理由で、サービス終了を発表しました。
売買で使われていたLINE NFTが終了したのも、要因の一つかと思われます。
一時期、大きく流行ったので、こちらも多くの人が驚きました。
他にも、色々なNFTゲームがサービス終了を発表しました。
ゲームを継続するにも費用がかかりますので、人気が出なかったゲームは、早めに終わらせるという流れになっています。
NFTの所有権は自分にありますが、ゲームが無くなってしまえば、価値がないのと一緒。
実質的に、損失ということになるので、資金を投入する際は、必ず投資の側面を持つということを忘れないようにしましょう。
Play to Airdrop
以前に比べて、無料プレイや初期投資額が安くなりましたが、よりお金をかけずに稼ぐ方法が出てきました。
それが「Play to Airdrop(プレイしてエアドロップをもらう)」です。
以前から開発されてきたゲームが続々と完成し出してきて、β版がリリースされることが多くなりました。
完成はしていないものの、プレイすることで、そのゲームの仮想通貨(トークン)やNFTなどがもらえるというものです。
運営側としては、テストプレイヤーを集められて、また話題にもなり注目してもらえます。
プレイヤー側としては、初期費用をかけずにゲームを遊べて稼げるというメリットがあります。
以前のように、初期費用がかからないものが多いので、本当の意味での「Play to Earn(遊んで稼ぐ)」が実現できています。
もちろん、報酬をもらうにはある程度時間をかけてプレイする必要がありますが、リスクなく稼げるチャンスがあるというのは、初心者プレイヤーや資金がないプレイヤーには嬉しい展開です。
新しい形のSocialFi
Portalというゲームプラットフォームが打ち出したエアドロップキャンペーンが大きく話題を呼びました。
Twitterで、指定されたタグをつけてツイート、RTやいいね・コメントなどされたら、ポイントがもらえて、そのポイント量によって仮想通貨のエアドロップ量が決まるというものです。
NFTゲーム界隈での情報収集方法が、主にTwitterということもあり、大きく話題になり、大勢の人がツイートしました。
その後、実際にエアドロップがあり、資金をまったくかけずに数百万円利益が出た人もいて注目されました。
Portalのエアドロ以降、真似して同じようなエアドロップキャンペーンをするプロジェクトが多くなりました。
ツイートをしなければいけないので、TLがそればかりになり、興味ない人からみるとうっとおしいと思われることもあり、賛否両論もあります。
ただ、お金をかけずに数万~数十万円稼ぐチャンスなので、やっておいた方が賢いでしょう。
2024年代の稼ぎ方
Play to Airdropで稼ぐ
βテストで稼ぐ
稼ぐ方法が複雑化
NFTを先行販売で買い転売する
昨年と引き続き、シンプルな「プレイして稼げる」ゲームは、多くはありません。
いろいろなゲームがリリースはされていますが、原資回収まで時間がかかるものも多く、ゲームのクオリティが上がるにつれて、プレイ時間も多くなってきてるので、プレイするゲームは選ばないといけません。
以前のようにプレイするだけで稼げるゲームは減っていき、きちんと戦略を立てて効率よくゲームを進めないと稼げないゲームが増えてきました。
もしくは、FPSなどのようにスキルが高くないと稼げないといったものなど、簡単に稼げる時代は終わりつつあります。
簡単に誰でも稼げるということは、その分売り圧も大きくなるので、ゲームが持続しません。
稼ぐ手段が複雑化することにより、適当にプレイしているプレイヤーは稼ぐ金額が少なくなりますが、その分きっちりプレイしている人が得をします。
そのため、以前に増して頭を使い効率よくプレイすることが稼ぐコツになります。
資金をかけたくない人は、賞金付きβテスト版をプレイしたり、「Play to Airdrop」をしているゲームをプレイするのがいいでしょう。
ほとんどが無料~少額で参加できて、ゲームを楽しみながら稼ぐチャンスがあります。
お金はないけど、時間はあるといった人に特におすすめです。
まとめ
ゲームのクオリティは飛躍的に上がった
まだまだ正式リリース前のゲームが多い
稼げる金額は減っているが、その分持続するように作られている
無料プレイが当たり前に
リリース前のNFTが高騰傾向
有名企業も続々と参入している
その裏でサービス終了するゲームも多い
ゲームのクオリティは確実に上がってきていて、より大衆向けになってきています。
肝心の収益性については、まだまだ安定しておらず、どのゲームも試行錯誤途中ですが、無料で稼ぐ方法もあるので、現在のところはそちらで楽しむ方がいいでしょう。