BYBITのトラベルルールを解説！仮想通貨を送金できない理由・対処法

日頃から海外の仮想通貨取引所を利用している方にとって、トラベルルールの導入は少なからず影響を与えているでしょう。特に日本人ユーザーに人気のあるBYBITへの送金ができない国内取引所もあり、困っている方も多いかと思います。

結論から言うと、GMOコインやDMM Bitcoinなどの国内取引所からはBYBITへの送金ができません。そのため、BYBITへ送金するには他の仮想通貨取引所を利用するなどの手段が必要となります。

この記事では、BYBITに関連するトラベルルールについて解説し、仮想通貨を送金できない理由や対処法などもご紹介します。これからBYBITの利用を検討している方や仮想通貨の送金を考えている方は、ぜひ参考にしてください。

BYBITのトラベルルール！送金可能な国内仮想通貨取引所はどこ？

前述したように、トラベルルールの導入により、日本人に人気の海外仮想通貨取引所BYBITに送金できない国内取引所があります。

国内の主要な仮想通貨取引所からBYBITへの送金可否と、その際の送金手数料について、下記の表にまとめました。

取引所名	BYBITへの送金	送金手数料（一例）
Coincheck	◯	・BTC：0.0004 BTC ・ETH：0.005 ETH ・XRP：無料
bitFlyer	◯	・BTC：0.0004 BTC ・ETH：0.005 ETH ・XRP：無料
GMOコイン	✕	無料
DMM Bitcoin	✕	無料
BITPOINT	◯	無料
bitbank	◯	・BTC：0.0006 BTC ・ETH：0.005 ETH ・XRP：0.15 XRP
BitTrade	◯	・BTC：0.0005BTC ・ETH：0.0007ETH ・XRP：0.1XRP
LINE BITMAX	✕	・BTC：0.001 BTC ・ETH：0.005 ETH ・XRP：0.15 XRP
SBI VCトレード	◯	無料
OKCoin Japan	◯	無料
Zaif	×	・BTC：0.0001〜0.01BTC ・ETH：0.01〜0.05ETH ・XEM：2〜20XEM
Binance Japan	◯	・BTC（Bitcoin）：0.00025 BTC ・ETH （ERC20）：0.0023 ETH ・XRP（Ripple）：0.2 XRP

上記の表からも分かるように、2024年7月時点で、以下の取引所からBYBITへの送金はできません。

• GMOコイン
• DMM Bitcoin
• LINE BITMAX
• Zaif

これらの取引所からBYBITへの送金手続きを行っても、送金は自動的にキャンセルされてしまうので注意が必要です。

その他の取引所からは、トラベルルール施行後もBYBITへの送金が可能となっています。

BYBITへの送金におすすめの国内の仮想通貨取引所

BYBITへの送金におすすめなのは「Coincheck」です。国内でも知名度が高く、取り扱い通貨数が豊富で操作性に優れています。手数料はかかりますが、セキュリティ面でも信頼性が高いのが特徴です。

また、BYBITだけでなく他の国内取引所への送金も考えている方には「bitbank」をおすすめします。bitbankはトラベルルールのソリューションとして「SYGNA」を採用しており、他の国内取引所とも互換性があります。

トラベルルールの詳細については後述しますが、BYBITへの送金に関しても、手数料や他の取引所との連携を考慮して取引所を選んでみてください。

BYBITへの送金が制限される理由

2023年6月の法改正により、国内仮想通貨取引所にトラベルルールの実施が義務付けられました。これにより、BYBITへの送金が制限される取引所が存在します。

BYBITは、金融庁が指定する通知対象国ではない「セーシェル共和国」に登記されている取引所です。セーシェル共和国はトラベルルールの遵守が求められる対象国ではないのですが、規制を厳しく設けている国内取引所からは送金ができない場合があります。

そのため、BYBITに送金する際は、送金可能な取引所を選んで利用することが重要です。

繰り返しになりますが、Coincheckやbitbankなどの国内取引所は、BYBITへの送金が可能です。これらの取引所を利用することで、スムーズに送金を行うことができます。

仮想通貨のトラベルルールとは？

仮想通貨のトラベルルール（Travel Rule）とは、仮想通貨取引におけるマネーロンダリングやテロ資金供与を防止するための規制です。

このルールはFATF（金融活動作業部会）が制定したガイドラインの一部であり、2023年6月に改正された「犯罪による収益の移転防止に関する法律」により、国内取引所での実施が義務付けられました。

具体的には、仮想通貨を送金する際に、送金元の取引所が受取側の取引所に対して、送金者と受取人の情報を通知することが求められます。

この規制により、取引所を利用するユーザーには送金の手間が増え、採用されるソリューションの違いによって一部の取引所間での送金が制限される場合があるのです。

トラベルルールの詳細については、こちらの記事で詳しくまとめています。併せて参考にしてください。

BYBITに送金できない取引所から仮想通貨を送る方法2つ

「すでに口座を開設している」「取引所に仮想通貨を保有している」などの理由から、BYBITに送金できない取引所を利用している場合でも、なんとかしてBYBITに送金したいと思う方もいるでしょう。

そんな時は、以下の方法を試してみてください。

• BYBITへ送金可能な取引所を経由して送金する
• 個人ウォレットを経由して送金する

BYBITへ送金可能な取引所を経由して送金する

BYBITに直接送金できない取引所を利用している場合でも、送金可能な取引所を経由することでBYBITに送金できます。

例えば、GMOコインでビットコイン（BTC）を保有している場合、GMOコインから直接BYBITへの送金はできません。この場合、まずBYBITに送金可能なbitbankにビットコインを送金し、bitbankからBYBITに仮想通貨を送金します。

これにより、直接送金できない場合でも、BYBITへの送金が可能です。

ただし、GMOコインから送金できるのは、同じトラベルルールのソリューションを採用している取引所に限られます。また、送金時には手数料がかかるため、コストにも注意が必要です。

トラベルルールのソリューションについて

トラベルルールのソリューションとは、取引所が採用する具体的な対応技術の種類のことです。

国内の取引所で採用されている主なソリューションには、「TRUST」「SYGNA」「GTR」の3種類があります。それぞれのソリューションは同じ種類同士でのみ互換性があり、送金が可能です。

種類	導入先	主な国内の導入先
TRUST	主にアメリカの取引所	・Coincheck ・bitFlyer ・SBI VCトレード
SYGNA	主にアジアの取引所	・GMOコイン ・DMM Bitcoin ・BITPOINT ・bitbank ・BitTrade ・LINE BITMAX ・SBI VCトレード ・OKCoin Japan ・Zaif
GTR	国際的な取引所	Binance Japan

※SBI VCトレードのみ「TRUST」と「SYGNA」2種類に対応

具体例を挙げると、「SYGNA」を採用しているGMOコインから同じく「SYGNA」を採用しているbitbankへの送金は可能です。しかし、「SYGNA」を採用しているGMOコインから「TRUST」を採用しているCoincheckへの送金はできません。

今後のためにも、同じソリューションを使っている取引所の口座を開設しておきましょう。

個人ウォレットを経由して送金する

BYBITに直接送金できない取引所を利用している場合、個人ウォレットを経由して送金するのも1つの方法です。

トラベルルールは取引所に適用されるルールであり、個人ウォレットへの送金には適用されません。そのため、一度個人ウォレットを経由することで、異なるソリューションを採用している取引所やBYBITへの送金が可能になります。

具体的には、MetaMask（メタマスク）などのソフトウォレットやLedger（レジャー）などのハードウェアウォレットを使用します。

そして、国内取引所からこれらのウォレットに仮想通貨を送金し、そこからBYBITに送金するという流れです。これにより、問題なくBYBITへの送金ができます。

ただし、送金時には手数料がかかることや、セキュリティ対策が必要となる点に注意が必要です。また、MetaMaskはリップル（XRP）に対応していないため、XRPの送金には他のウォレットを使用する必要があります。

BYBITから国内取引所へ送金する際のトラベルルールの影響は？

BYBITから国内取引所へ送金する際には、トラベルルールの影響で追加の情報が必要となる場合があります。

これは、海外と国内でトラベルルールの遵守方法が異なり、海外から送られてくる情報だけでは不十分な場合があるためです。このため、送金先の取引所から追加の情報提供を求められることがあります。

例えば、BYBITから送金を試みた際に、送金が一時保留され、送金先の取引所からメールで不足情報の入力を求められることがあります。追加情報を提供し、取引所がそれを承認すれば、送金した仮想通貨が反映される流れです。

取引所によって対応は異なりますが、一般的にはこのような手続きが必要となります。このため、送金には時間がかかる場合があるため、急いでいる場合には注意が必要です。

BYBITに送金する際に知っておきたいこと

最後に、BYBITに送金する際に知っておきたいことをまとめて解説します。

• BYBITへの送金でおすすめの取引所は？
• BYBITへ送金できない場合の対処法は？
• BYBITへの送金にかかる時間はどれぐらい？
• BYBITは仮想通貨以外でも入金できる？

BYBITへの送金でおすすめの取引所は？

BYBITへの送金におすすめなのは「Coincheck」です。国内でも知名度が高く、取り扱い通貨数が豊富で操作性に優れています。

また、BYBITだけでなく他の国内取引所への送金も考えている方には、「bitbank」がおすすめです。bitbankは広範な互換性を持ち、送金手数料も比較的低く設定されています。

それぞれの取引所の手数料や相互関係を確認し、自分に合った取引所を選ぶことが重要です。

BYBITへ送金できない場合の対処法は？

トラベルルール以外の理由でBYBITへの送金手続きができない場合、以下の点を確認してみてください。

原因	改善ポイント
ネットワークが混雑している	選択したネットワークの混雑状況を確認する
出金アドレスが間違っている	正しいアドレスを確認して入力する
ネットワークが間違っている	各通貨の対応ネットワークを確認して選択する
タグを入力を忘れている	XRP・EOSなどの通貨はタグやメモの入力が必要なため入力する
現物・資金調達アカウントに残高がない	デリバティブアカウントなどから現物・資金調達アカウントに残高を振替える

BYBITへの送金にかかる時間はどれぐらい？

BYBITへの送金にかかる時間は、仮想通貨の種類やネットワークの状況によって異なります。

早ければ数秒から数分程度で完了しますが、遅くても30分から1時間ほどで送金が完了することが一般的です。これらの要因を考慮して送金を行いましょう。

BYBITは仮想通貨以外でも入金できる？

BYBITは仮想通貨以外でも、以下の方法で入金が可能です。

• クレジットカード
• P2P取引
• 法定通貨

ただし、法定通貨での入金は日本のユーザーには対応していません。

BYBITの入金方法については、こちらの記事で詳しくまとめています。併せて参考にしてください。

まとめ

2023年6月に国内取引所で実施されたトラベルルールにより、日本人に人気の海外仮想通貨取引所BYBITに送金できない国内取引所があります。2024年7月時点で、以下の取引所からBYBITへの送金はできません。

• GMOコイン
• DMM Bitcoin
• LINE BITMAX
• Zaif

BYBITは、金融庁が指定する通知対象国ではない「セーシェル共和国」に登記されています。そのため、トラベルルールの遵守が求められる対象国ではないのですが、規制を厳しく設けている国内取引所からは送金ができない場合があるのです。

そのため、BYBITに送金する際は、上記4つ以外の取引所を利用してみてください。

もし、BYBITに送金できない取引所を利用している場合でも、次の方法を試してみてください。

• BYBITへ送金可能な取引所を経由して送金する
• 個人ウォレットを経由して送金する

BYBITへの送金におすすめなのは「Coincheck」です。国内でも知名度が高く、取り扱い通貨数が豊富で操作性に優れています。

また、BYBITだけでなく他の国内取引所への送金も考えている方には「bitbank」がおすすめです。bitbankは広範な互換性を持ち、送金手数料も比較的低く設定されています。

トラベルルールの影響により送金に制限がかかる場合もありますが、各取引所の手数料や互換性を確認し、BYBITに送金できる方法を選んで利用しましょう。