各国の経済発展に貢献するグローバル専門商社構想とはーーレカム株式会社

レカム株式会社
(画像=レカム株式会社)
伊藤 秀博(いとう ひでひろ) ――レカム株式会社代表取締役社長 兼 グループCEO
1962年?まれ。東京都出?。
1985年、新日本工販株式会社(現・株式会社フォーバル)入社。
1994年レカム株式会社設立、代表取締役社長就任(現任)。
レカム株式会社
レカム株式会社はカーボンニュートラル、コストダウン、DX推進、サイバーセキュリティ、感染症対策などのソリューションを提供しており、現在は9ヶ国で22社の事業会社を通じて事業展開しています。グローバル専門商社構想の下、M&Aやアライアンス、合弁会社設立によってグローバル展開を加速し、BtoBソリューションプロバイダーとして世界を代表する企業グループを目指します。
証券コード:東証スタンダード 3323

創業のきっかけはフランチャイズ展開を決意したこと

ーー現在までの事業の変遷について教えていただけますか?

レカム株式会社 代表取締役社長・伊藤 秀博氏(以下、社名・氏名略):当社は1994年に情報通信機器を販売する会社として設立しました。私自身は元々情報通信機器を販売する会社の営業マンをやっており、法人営業のノウハウを共通化、標準化させることが難しいと感じていました。そこで、世の中の営業マン達が独立するときに法人営業ができる場を提供しようと考えたのです。法人営業をノウハウ化してフランチャイズ展開をしました。これがレカムの創業のきっかけです。

法人営業のフランチャイズというビジネスモデルは成功し、短期間で全国に加盟店を拡大しました。その後、2003年に中国でアウトバウンドのコールセンターを作りました。中国人が日本語でアウトバウンドコールを行い、見込み客の発掘やアポイント取得を行ったのです。

2004年にはヘラクレス(※1)に上場し、M&Aを通じて事業の多角化を進めました。2015年には、中国で省エネ機器の販売を始め、カーボンニュートラルのサービスを提供しました。その後、ベトナムやマレーシアなどアジア諸国に展開し、現在はアジア8カ国で事業を展開しています。

また中国に作ったコールセンターの子会社は、データ入力などバックオフィス全般のアウトソーシングを受けるBPO事業に拡大しました。そして2018年には中国の新三板市場に子会社を上場させたのです。

ーーなぜ中国でBPO事業を始めようと思ったのでしょうか?

伊藤:日本の社会課題の解決に繋がると考えたからです。日本では少子高齢化が進み、人口が減少しています。そのため経営において、社員が本業に集中するため間接業務をアウトソーシングすることが求められています。さらに、働く人が少なくなる中で、データ入力などの仕事をわざわざ選ぶ人は少なくなるでしょう。

一方で、アジアの発展途上国では人口が増加し、第一次産業や第二次産業が主流ですが、第三次産業に興味を持つ人が多くいます。当社がアジアにセンターを作ることで、人材の需要と供給をマッチさせることができると考えたのです。また、アジア諸国の経済発展にも貢献できます。

ーー素晴らしいですね。ありがとうございます。

(※1)大阪証券取引所が開設していた新興企業向けの市場のこと。現在は東京証券取引所スタンダード市場に上場しています。

最大の強みはフランチャイズが原点であったこと

ーー御社がここまで拡大をすることができた最も大きな要因は何でしょうか?

伊藤:2つあると考えています。1つ目は営業力です。元々、法人営業を一貫して強化してきた点が、当社の最も大きな強みだと考えています.

フランチャイズという珍しいビジネスモデルを採用しようと思ったのは、かつて営業マンをしていた頃、キャノンの会長が口にした「セールスイズサイエンス」という言葉に触発されたからです。

この言葉は、営業を科学的に捉えるという意味であり、私はこの考えに魅了されました。営業はしばしば個人の特性やコミュニケーション能力、行動力などと結びつけられますが、それ以上に科学的なアプローチが可能であると信じています。

一般的には、営業は正反対の定性的なことで決まるものだと思われがちですが、実際にはそうではありません。営業は、成功するかしないかが確定するわけではなく、むしろ確率で成否が決まる仕事です。私はこの考えに基づき、フランチャイズ展開を選択しました。

従業員を指示や命令で動かすことができる社内の営業マンとは異なり、フランチャイズ加盟店は雇用関係ではないため、自主的に行動する必要があります。そのため、加盟店の売り上げを伸ばすためには、営業のノウハウを標準化し、加盟店にそれを伝える必要があります。

このように、営業の標準化やシステム化、仕組み化に取り組んできました。これが、当社の強みであり、加盟店の売り上げを伸ばす手段となっています。

2つ目は海外営業のノウハウがあることです。当社は2003年から中国に進出しており、ベンチャー企業の中では珍しく、非常に長い間海外で事業を展開しています。この海外経営のノウハウも、当社の強みの一つです。この経験があるため、短期間で8ヵ国に進出し、事業を立ち上げることができています。

思い描く未来ー相手国の経済発展に貢献、不可欠な存在に

レカム株式会社
(画像=レカム株式会社)

ーーレカムの未来構想についてお聞かせいただけますか?

伊藤:2015年以降、当社は海外でのカーボンニュートラル事業を急速に拡大し、現在は8ヵ国で展開しています。グループ全体の売上の半分以上が海外の売上になっておりまして、今後はグローバル企業として成長していく中で、2017年以降はグローバル専門商社構想を掲げ、成長戦略を推進しています。

レカム株式会社
(画像=レカム株式会社)

ーーグローバル専門商社構想について詳しく教えていただけますか?

伊藤:当社のグローバル専門商社構想は、時代に即した最先端の商材やサービスを提供し、我々の強みである営業力を活かして世界中の顧客に様々なソリューションを提案し、成長していくことを目指しています。この構想には、4つのステージがあります。

まず、ステージ1では顧客の開拓を行います。当社ではLED照明を主力商品としており、これを通じて顧客を獲得します。LEDは技術力が比較的必要なく、単価が安いので大量生産が容易であり、自社ブランドでの生産がしやすい、という特徴があります。大量生産により他社との差別化を図り、収益率を向上させます。

ステージ2では、開拓した顧客に対して太陽光やエアコンといった、省エネ機器・IT機器など我々のさまざまなサービスを提供し、ワンストップサービスで顧客を囲い込みます。

ステージ3では、ステージ1・2でやってる日系企業向けのビジネスモデルを各国のローカル企業に提供し、その市場を開拓します。当初は自社で進めていましたが、海外での営業活動・取引の早期拡大が困難であったため、現在はクロスボーダーのM&Aを推進し、有力なローカル販売会社を取得し、共にその国の市場を開拓しています。

最後にステージ4では、開拓したローカル顧客や日系企業顧客に対して、その国のニーズに合った独自の事業を開発し拡大することで、その国の経済発展に貢献します。最終的には、当社がその国にとって不可欠な存在となることを目指しています。

これが現在進めている成長戦略「グローバル専門商社構想」というものになります。

多様な人種や民族が集まって「世界を代表する企業」に

ーー今後の未来構想について教えてください。

伊藤:2017年以降進めている、海外進出をさらに拡大していきたいと考えています。日本は少子高齢化が進んでおり、2050年には人口が1億人以下になってしまうと言われています。世界の歴史の中で人口が減り続けている国で発展をした国はないので、日本が発展することは非常に難しいのです。

そこで、海外で事業を成功させて利益を作り、その利益を日本に持って帰ることで日本に貢献しようと考えています。また、会社としてはちょうど5年前に25周年を迎えましたので、次の四半世紀のレカムの経営目標として、世界を代表する企業グループになるという目標を掲げました。

ーー世界を代表する企業とは、具体的にどのようなイメージを持っていますか?

伊藤:BtoBのソリューションプロバイダーとして、世界を代表する企業グループを目指しています。

現在9ヵ国で事業展開し、9つの国籍の社員が在籍しています。さらに、それ以上の多様な人種や民族がレカムグループで活躍しています。

様々な民族や人種の人たちが集まって一緒に事業を成功させることが、「世界を代表する企業グループになる」ということの実現ではないかと考えています。この志を掲げ、さらに成長していくというのが、今後の我々の目標です。

ZUU onlineユーザーへ一言

ーー最後に、弊社の投資家やZUU onlineのユーザーの皆様に一言いただけますでしょうか?

伊藤:レカムグループは、社内で「チャレンジ」という言葉を大切にしております。これまで様々な、日本の企業では初めてのサービスやビジネスを展開してきました。もちろん、新しいことにチャレンジしたことで、様々な失敗も経験してきました。それでも、失敗と成功を繰り返しながら今年で創業30年を迎えます。

今後も様々なことに挑戦しながら、日本発のグローバル企業になることを目指しています。レカムグループの新しいチャレンジに期待していただける方に、ご支援をいただければ幸いです。

氏名
伊藤 秀博(いとう ひでひろ)
社名
レカム株式会社
役職
代表取締役社長 兼 グループCEO
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