本記事では「S&P500は日本で言うと何になるのか?」をテーマに解説をします。
S&P500は好調な株価推移から、新NISAを中心に投資を行っている方は少なくないでしょう。
一方、ポートフォリオの分散性の向上を目的に「日本の株式指数へ投資をしたい」と考える投資家も存在。
そこで出てくる悩みとして「S&P500は日本で言うと何になるのか?」というものです。
S&P500と日本の株式指数では全く同じと言えるものはなく、異なる性質を抑えておく必要があります。
本記事を参考に注意点についても理解しておきましょう。
【結論】S&P500を日本をで言うと「日経平均株価」但し・・・
S&P500を日本で表した場合、「日経平均株価」を参考にするのが良いでしょう。
日本における代表的な株式指数は「TOPIX」、「日経平均株価」です。
TOPIX | 日経平均株価 | |
株価算出方法 | 時価総額(株価×発行株式数) | 株価の平均値 |
対象銘柄 | 東京証券取引所プライム市場の原則全銘柄 | プライム市場から選定された225銘柄 |
銘柄数 | 2135銘柄(2024年7月時点) | 225銘柄 |
算出元 | 東京証券取引所 | 日本経済新聞 |
- 米国に本拠地があること
- 4年連続黒字
- 時価総額180億ドル以上
厳格な基準の元に選定された企業のみがS&P500に組み入れされている点を加味すると、やはり「日経平均株価」が良いと言えるでしょう。
TOPIXはプライム市場原則全銘柄であるため、日本の株式動向全体を把握するのに最適です。
但し、「S&P500=日経平均株価」とは到底いえないポイントが複数あり、正しく違いを理解することが大切と言えます。
このため、S&P500と日経平均株価の違いを抑えておきましょう。
「S&P500」と「日経平均株価」5つの違い
S&P500と日経平均株価の違いは以下の通りです。
違い①構成銘柄数
S&P500 | 日経平均株価 |
500社 | 225社 |
日経平均株価は、S&P500と比較して投資銘柄数が限定的です。
このため、日経平均株価へ投資をする場合、分散性が異なる点を理解しておくようにしましょう。
違い②株価指数算出方法
S&P500 | 日経平均株価 |
時価総額加重平均 | 株価平均型 |
S&P500は時価総額加重平均で投資がされているのに対し、日経平均株価は株価平均型となります。
このため、日経平均株価は高い株価銘柄(値がさ株)の影響を受けやすい傾向にある点は課題です。
筆者としては、少しいびつは株価指数と考えており日本の株価動向を把握する場合、「TOPIX」の活用を推奨しています。
日経平均株価の計算方法は、単純に株価平均÷225ではない
厳密には「株価換算係数」で調整したうえで合計し、「除数」で割って算出が行われている
調整が行われているも、現状特定銘柄の影響を大きく受ける株価指数である
違い③組み入れ条件
S&P500 | 日経平均株価 |
時価総額180億以上 浮動株比率は50%以上 四半期連続で黒字 米国に本社を置く |
日本経済新聞社による選定 (流動性※注1、セクターバランス、定期的な臨時入替) |
※注1
東証第1部上場銘柄の中から市場流動性の高いグループを選び、「高流動性銘柄群」450社を選定
- 過去5年間の売買代金
- 過去5年間の売買高当たりの価格変動率
上記両指標から見て流動性が高い銘柄から225社を選定する
S&P500は四半期連続黒字や時価総額基準が条件として設定されています。
一方、日経平均株価は倒産、債務超過などの特別除外事由はあるも流動性が主な選定要因です。
このため、モバイル事業への投資により赤字が続く「楽天グループ」などが組み込まれている点は理解しておきましょう。
違い④国際的影響力
S&P500は米国市場全体の80%を占める、極めて大きな株価指数です。
- アップル
- マイクロソフト
- エヌビディア
- アマゾン
- メタ
など、世界的に事業を展開している大手企業が上位を連ね国際的影響力は計り知れません。
2024年8月5日時点
(ドル円145円にて計算)
S&P500 | 時価総額 | 日経平均株価 | 時価総額 |
アップル | 488兆円 | トヨタ | 37兆円 |
マイクロソフト | 439兆円 | 三菱UFJ | 16兆円 |
エヌビディア | 381兆円 | ソニーG | 15兆円 |
アマゾン | 252兆円 | キーエンス | 14兆円 |
メタ | 153兆円 | NTT | 13兆円 |
国内で唯一世界に勝てる企業とも言われるトヨタであっても、世界的時価総額は30位以下と大きな差があるのが現状です。
「アメリカがくしゃみをすると日本が風邪をひく」という言葉があるように、S&P500と日経平均株価では世界的影響力の違いがある点は理解しておきましょう。
違い⑤市場カバー率
各対象国における市場カバー率は以下の通りです。
S&P500 | 日経平均株価 |
約80% | 約74% |
どちらの株価指数も各国において高いカバー率を保有しています。
このため、S&P500及び日経平均株価を保有することは、概ね対象国全体へ投資をしているとも言えるでしょう。
投資家から高い人気を誇る全世界株式インデックスファンドは、66%の構成比が米国株である
内約80%がS&P500であることを考えると、影響度の高さが良く分かる
日経平均株価に関する気になる3つの質問
日経平均株価に関する気になる質問を集めました。
Q1.日経平均株価に投資をする方法は?
日経平均株価に連動する投資信託を活用するのがおすすめです。
信託報酬 | |
eMAXISSlim国内株式(日経平均) | 0.143% |
楽天・日経225インデックス・ファンド | 0.132% |
たわらノーロード 日経225 | 0.143% |
ニッセイ日経225インデックスファンド | 0.275% |
iFree日経225インデックス | 0.154% |
現在、複数のファンドが用意されているため、信託報酬の違いを確認して投資ファンドを選定しましょう。
Q2.日経平均株価とS&P500のパーフォーマス比較は?
2014年~2023年のパフォーマンス比較は以下の通りです。(円ベース)
S&P500 | 日経平均株価 | |
2014年 | 31.7% | 9.0% |
2015年 | 0.9% | 11.0% |
2016年 | 6.1% | 2.4% |
2017年 | 17.5% | 21.3% |
2018年 | ‐7.7% | ‐13.2% |
2019年 | 30.5% | 20.6% |
2020年 | 10.3% | 18.1% |
2021年 | 44.5% | 6.4% |
2022年 | ‐6.3% | ‐7.5% |
2023年 | 34.6% | 30.8% |
直近10年では7勝3敗でS&P500が優位な結果となっています。
一方、為替影響もあるため純粋なパフォーマンスだけで投資商品を比較するのはおすすめできません。
投資国を分散を目的に、米国株、日本株のバランスを考えて投資をするのが良いでしょう。
Q3.日経平均株価に投資をする際の注意点は?
日経平均株価は7割のカバー率を保有する一方、225銘柄と対象銘柄数が限定的。
また、値がさ株の影響を受けやすい構造である点は注意が必要です。
更に分散性を高めて日本株へ投資をしたい方は「TOPIX」を活用するのが良いでしょう。
TOPIX(東証株価指数)は、2,000社以上組み入れされており日本の株式市場を広範囲に網羅
アプリを活用して株式に関する情報収集
「もっと手軽に株式に関する情報が欲しい」、「スマホで上昇収集をしたい」と悩む投資家は少なくないでしょう。
そんな方におすすめなのが財務分析アプリ「moomoo」の活用。
「moomoo」は、2022年10月27日誕生した新しい次世代型金融情報アプリです。
日本での知名度は高くありませんが、世界では2,100万人以上のユーザーがmoomooのアプリを利用。
革新的なサービスとして世界の投資家に認められているツールです。
- 日本株、米国株のスクリーニング
- 日本株、米国株の財務分析
- シミュレーション取引が可能
今回紹介したS&P500、日経平均株価の情報収集にても最適です。
アプリをダウンロードすれば、主要株式指数はもちろん世界の市場動向が網羅的にチェックが可能。
各株式指数の長期チャート、企業別財務分析など手軽に情報収集ができます。
多数の企業財務分析が無料で確認できるのも、アプリを利用するメリットです。
その他、「銘柄スクリーニング」、「ヒートマップ」など株のトータル管理に対応。
➤「moomoo証券」を無料でダウンロードする
※IDを取得すればすぐに利用できます
posted withアプリーチ
http://long-term-investment.jp/moomoo/
S&P500を日本の株式指数で言うと何になる?【まとめ】
本記事では「S&P500は日本で言うと何になるのか?」をテーマに解説をしました。
S&P500を日本で言うと「日経平均株価」と考えるのが良いでしょう。
但し、組み入れ数、株価算出方法など異なるため正しく違いを理解することが大切です。
「S&P500=日経平均株価」とは言えない違いがあるため、注意喚起として違いを解説しました。
一方、どちらも市場カバー率の高い投資商品かつ信託報酬も安いため、投資信託を通して投資を検討するのも良いでしょう。
以上、「S&P500は日本で言うと何になるのか?」まとめでした。
【関連記事】オールカントリーへ100%投資する際の注意点を解説しています。
https://long-term-investment.jp/sp500-only/
【関連記事】理想的なアセットアロケーションについて解説しています。
https://long-term-investment.jp/asset-allocation/
【関連記事】投資信託100万円を1年間放置した場合のパフォーマンスを解説しています。
https://long-term-investment.jp/investment-trust-1year/